スグリの基本的な知識について
スグリとは?特徴と種類
スグリは『キク科スグリ属』に属する多年草。日本を原産地とし、古くから食用や観賞用として親しまれてきました。その特徴的な花の形状から「鶴の羽根」の意味を持つスグリという名前がついています。
主な特徴としては以下となります↓
- 花径は10~15cm程度
- 草丈は30~120cm程度
- 中心部分が円錐状に盛り上がった複雑な形状をしている
- 花の色は白、赤、桃、紫などさまざま
- 耐暑性・耐寒性に優れ、生育力が強い
代表的な種類は以下の通りです!
- ベニバナ
- キリシマ
- トールホワイト
- ミックスカラー
- パンプキン
- ピンクボール
【重り咲き品種】 は中心部分の花筒が特に大きく目を引く存在感のある品種群。 【スプレー咲き品種】は 全体が疎らに咲く草姿が特徴的です。花径は小さめですが華やかな印象。
【ボール咲き品種】 丸くコンパクトな形状で花穂がつまっている品種です。鉢植えにも適しています。このようにスグリには、花形や草姿の異なる様々な品種があり、用途に合わせて選ぶ楽しみもあります
スグリの育て方:初心者でも失敗しないコツ
スグリは強健な植物ですが、初心者が気をつけたい育て方のポイントも。
- 【植え付け時のポイント】:日当たりと通風の良い場所を選ぶ 。株間は30cm以上空ける
- 【生育中の手入れ】:生育期の水やりは控えめ、乾燥気味が適している。病害虫、特に根腐れ病に注意
- 【環境を整える】:風通しを良くし、密植は避ける。排水性が悪い場所は高床や溝を設ける
このように適切な環境を整え、水分管理を適切に行うことがカギとなります。定期的な手入れを欠かさず、スグリの特性を理解しながら育てることで、美しく咲く花を楽しめるでしょう。
スグリの開花時期と保存方法
スグリの開花時期は品種により異なりますが、概ね8~10月頃が見頃となります。早咲きの品種なら7月頃から楽しめる場合も。
花が終わったら切り戻し剪定を行い、次の開花に備えましょう。スグリは毎年楽しめる宿根草ですので、愛情を持って長期間育てられる点も魅力!
スグリは育てやすく長期に渡り楽しめる花なので初心者から上級者まで、幅広く愛好される人気の園芸植物なのです。
スグリの食べ方とは?
スグリの食べ方:シンプルな食べ方から意外なレシピまで
スグリは食用としても人気の高い植物です。その利用方法は多岐に渡ります。
- 【生で食べる】:花弁は生で食べると爽やかな苦みと凝縮された甘みが楽しめます。 サラダにするのがおすすめ
- 【ゆでて食べる】:スグリの芯の部分や茎は繊維質なので、ゆでて食べるのが一般的。酢味噌和えやバター醤油で食べましょう
- 【その他アレンジ】:スパゲッティに混ぜたり、 天ぷらやフリッターなどの揚げ物もおすすめです
栄養価は決して高くありませんが、独特の風味と色彩が料理を彩ります。シンプルな下ごしらえで十分に美味しいのも魅力。
手作りスグリジャムのレシピとコツ
スグリの花弁を使ってジャムを作ることができ、人気の手作りレシピの一つです。
- 【材料】:スグリの花弁100g、砂糖100g、レモン汁 小さじ1
- 【作り方】:スグリの花弁を摘み、茎を除去し水洗いする。鍋に花弁と同量の砂糖、レモン汁を入れてかき混ぜる 。
中火で15~20分煮込み、汁気がなくなったら火を止める。ジャムの状態になるまで冷ましてから瓶詰めする - 【ポイント】:鮮やかな色を残すため、少し固め加減で火を止める。香りを逃がさないため弱火で手早く作業すること
スグリジャムは色鮮やかで甘酸っぱい味が特徴的。パンに付けたり、ヨーグルトにかけたりと様々な用途があります。ジャムづくりの経験がない方でも作りやすいレシピですので、ぜひトライしてみてください!
スグリを使ったその他の料理とデザート
食用としてのスグリの魅力は尽きません。料理以外にも、スグリを使ったデザートや飲み物などユニークな活用法もあります!
- 【スグリのお菓子】:スグリの花弁を混ぜ込んだスコーン、スグリをトッピングしたカップケーキ 、花弁入りのゼリーやムースなど
- 【スグリの飲み物】:スグリの花弁を漬け込んだハーブティー、花弁のシロップを使ったスグリソーダ、花弁を浮かべたゼリードリンクなど
- 【スグリのその他の利用法】:着色料としてスグリジュースを使う、スグリの花びらでサラダを彩るなど
このように、スグリはお菓子作りや飲み物にも幅広く利用できます。鮮やかな色と上品な苦味が、デザートやドリンクに素敵なアクセントを与えてくれます。 ドライフラワーにした花弁を利用する方法もあり、食用以外の分野でも活躍します。
スグリの魅力は、そのユニークな形状と食感、味わいにあります。ぜひ、スグリジャムに限らず、様々なスグリ料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。
スグリには文化的側面もたくさん!
スグリの花言葉とその意味
スグリには様々な花言葉が付けられています。その代表的なものを見ていきましょう!
- 【高貴】:スグリの立派な佇まいから、「高貴」の意味が込められています。中世ヨーロッパでは、王族や貴族に愛好される花でした
- 【誠実】:一つ一つの花弁が整然と並び、几帳面な印象を与えることから「誠実」を表す花とされてきました
- 【感謝の心】:日本において、スグリは旧暦9月の命日の花とされています。供養の意を込めて、感謝の気持ちを表す存在とされています
- 【永遠の愛】:スグリの花言葉の中で最も有名なのが「永遠の愛」です。花が長持ちすることから、永遠に絶えることのない愛の象徴とされています
このように、スグリには高貴さや誠実さ、永遠の愛などプラスのイメージが込められています。花の形状からくる印象もあり、様々な花言葉が生まれた由来がうかがえます。日本でも古くから大切に扱われてきた花なのです!
スグリとカシスの違い:見分け方とそれぞれの特徴
スグリとよく似ている花にカシスがあります。見分け方とそれぞれの特徴を解説します。
- 【見分け方】:スグリの花は中心部分が盛り上がった形状、カシスは平らな円形の形状。スグリの花びらは重なり合っているが、カシスは重ならない
- 【スグリの特徴】:花径が大きく10~15cm前後、花色は白や黄色などさまざま
- 【カシスの特徴】:花径は3~5cmと小さめ。花色は主にピンク色や赤紫色
このようにスグリとカシスには一見似ているものの、明確な違いがあります。カシスもスグリ同様キク科の植物ですが、スグリの方がはるかに大振りで目を引く存在感があります。一方カシスは小振りながらも可憐な花でまた別の魅力があります。
スグリを使った伝統的な料理と文化
スグリは日本の食文化に深く根付いた存在です。古来より様々な料理や行事に使われてきました。
- 【伝統的な料理】:皮むき芯の佃煮(長野県の郷土料理)、花穂の含め煮:(長崎県の郷土料理)、赤潮揚:花を揚げた長野名物の一品 、スグリくらげ(京都で珍重される乾燥食材)、 スグリ寿司(静岡県でにぎられる郷土の味)
- 【行事との関わり】:旧暦9月の命日の供え花で新嘗祭の神饌に使われてきた 。盆や正月のしめ縄飾りに欠かせない存在でもあります
スグリの日本における重要性が窺えますが、その背景には花の素晴らしさや芳香、収穫時期の良さなどが影響していると考えられます。今も受け継がれるスグリの伝統は、日本人の感性が作り上げた文化の一部なのです。
まとめ
スグリは古来より日本の食文化に深く根付いており、旧暦の行事や装飾用途でも重宝されてきました。高貴さや誠実さ、永遠の愛などの花言葉に表れるように、日本人に大切に思われてきた花なのです。
観賞用・食用双方の側面から、この東洋の伝統的な植物の魅力を楽しんでみてはいかがでしょうか?
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